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検証委員会の田中伸明委員長(左)から最終報告書を受け取る河村たかし名古屋市長=2024年9月18日午後3時50分、名古屋市中区、小玉重隆撮影
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 名古屋城復元をテーマにした市民討論会でエレベーターの設置を求めた障害者の男性に「我慢せえ」などの差別発言があり、名古屋市の河村たかし市長らが発言を制止しなかった問題について、市の検証委員会が18日、最終報告書を公表した。組織としての人権感覚を問題視し、河村市長らについても「人権感覚の希薄さが差別事案の背景・遠因にあった」と指摘した。

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 名古屋城の木造復元事業は、河村市長の肝いり事業。報告書は、バリアフリー対策をめぐり「史実に忠実な復元」をめざす河村市長と職員との食い違いがあるなど、市民への情報提供が不十分で、市民の間でも意見の対立が生まれやすい状況であったと指摘。差別発言に適切な対応ができなかった背景や遠因として、市長の意向を気にしなければいけない「職員の苦悩や葛藤」があったと分析した。また、河村市長の発言を「パワハラ」と受け止めた職員もいたと指摘した。市関係者によると、河村市長は職員に対し、「史実に忠実な復元」が実現しない場合は「切腹だわな」と発言したこともあったという。

「スケジュールに向けた作業の一つ」だった討論会

 職員が河村市長の方針と板挟みとなるなか、報告書が批判したのは、復元事業をスケジュール優先で進め、人権への配慮を欠いた組織や河村市長らの姿勢だ。

 河村市長は2018年5月…

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